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Sコンサルタント事件は、会社が社員Aさんを過重な労働により、脳出血で死亡させたとしてAさんの遺族が損害賠償を求めた事例です。脳出血で死亡した社員Aさんは、日頃から過労で体調が悪く、昭和58年ごろには、高血圧と心拡張を患い非常に危険な状態でした。
また、この様な悪い結果が健康診断を通して会社側に伝わっていたにもかかわらず、会社はAさんをプロジェクトリーダーにし、精神的な負担を与え続け、死に追いやったのです。
この訴えに対して東京高裁は、「安全配慮義務における会社の義務の1つとして、社員の健康診断結果が悪い時は、年齢や健康状態に応じた、業務内容軽減などの措置をとらなければならない。」としました。つまり、東京高裁は会社側がAさんの業務内容を軽減しないどころか、プロジェクトリーダーと言うストレス過多になるであろう職位に就け死なせたとしたのです。
その結果、1999年7月28日東京高裁は、「会社側が安全配慮義務に違反し、民法415条に基づく損害賠償責任を免れない」との判決を下しました。しかし、この事件では、Aさんが会社側から精密検査を受けるように指示されていたにもかかわらず、受けてなかったことが考慮され賠償額は軽減されました。
平成2年、F社のラジオ関係部署に配属された新卒社員Bさんが過労によるうつ病を罹患し、ついには自殺に追い込まれるという事態が発生しました。そして、Bさんの遺族は損害賠償を求める訴えをF社に起こしました。
Bさんは配属当初からほぼ毎日残業で、睡眠不足の状態でした。また、F社は残業手当を自らの上司に申告し、許可を得ることで支給されるという制度をとっていました。しかし、この制度はほとんど機能しておらず、Bさんにより申告された残業時間も相当少ない時間が申告されている状態でした。Bさんの超過残業はこの後も悪化し、いつしか徹夜の毎日が繰り返されることになっていました。
この状況に対し、Bさんの直属の上司Oは、「業務は所定の期限までに遂行するのが前提である。しかし、それで業務が終わらないのであれば、帰宅して睡眠を取り、翌朝早く出勤して行うように。」と指導したのみだったのです。心身共に疲弊したBさんは、平成3年の8月頃にはうつ病にかかっていたのではないかと考えられます。上司Oは少なからず、Bさんのこの異変を認識していたのですが、会社が多忙な時期とも重なり黙認することとなってしまいました。そして、8月23日、午前10時、自室で首をくくっているBさんが発見されたのです。
この裁判においては、数々の安全配慮義務違反があげられました。睡眠時間がまともに取れないほどの労働条件に対し、会社は健康に配慮する義務を全く尽くしていないこと。また、残業の自主申告において会社全体からの申告が明らかに少ないことに上司は目をつぶり、サービス残業と言う状態を作り上げていったこと。結果、最高裁はF社に対し、第1審では4455万円、第2審は6294万円の支払いを命じたのです。
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